ジタハラという言葉を聞いたことはありませんか?ジタハラとは必要な残業を認めない、時短させようとする最近問題となっているハラスメントです。今回は「ジタハラって何」?からジタハラと言われない方法、あわない方法などを中心に解説していきます!
これって「ジタハラ」?
ジタハラという言葉はご存じでしょうか?例えばこんな時に使われます。 あなたは社長から「できるだけ残業をさせないように」と言われました。それを受けたあなたは部下に対して「早く帰るように」と伝えるでしょう。仕事が終わらず残業をしようとしていた部下はごねました。なんとか説得しようとしてると部下はあなたにいいました「それってジタハラですよね?」 さて、部下の言う「ジタハラ」とは何なのでしょうか?言われないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?今回は「ジタハラとは何か」からその対策方法まで、また残業時間削減が必要かなどを解説していきます。
ジタハラって何?
ジタハラとは時短ハラスメントの略で、働き方改革の長時間労働是正のため残業をさせないように早く帰らせようとすることです。これを聞いたあなたは「残業時間が減るのはいいことなんじゃないの?」と思いませんでしたか?どこがハラスメントなの?と。 中には残業代のためにわざと残業する人もいますが、そういう人に対して早く帰るように促すのはジタハラにはあたりません。全員がまじめに業務を行っているとしましょう。 すると終わらなかった仕事は残業によって終わらせる必要があります。その必要な残業をさせないように帰るよう促すのが時短ハラスメント、ジタハラなのです。
社員は残った仕事をカフェや自宅で行うサービス残業によってこなすしかありません。ジタハラの問題点はそこにあり、本来もらえる残業代がサービス残業となり無くなることで仕事量は変わらないのに給与が少なくなってしまうのです。 部下からジタハラと言われないための対策を考えてみましょう。
ジタハラと言われないための対策って?
ジタハラに限らずハラスメントというものは言った側に自覚がない場合が多くあります。そのため何気なく部下に言った一言がジタハラと捉えられることもあるかもしれません。ではどのようにすればそのようなトラブルを避けられるのでしょうか?ジタハラ対策を三つほどご紹介しましょう。
残業時間削減を急がない
長時間労働の是正とは長期的に達成されなければならない問題です。ジタハラはこの目標によって生まれたハラスメントではありますが、すべての元凶はここではありません。それではどこにその元凶があるのでしょうか?それは残業を時間だけで判断する削減方法にあります。 例えば、ある会社の現在の売り上げを達成するには残業時間が平均で一時間必要だとしましょう。売り上げを維持したまま残業時間だけをなくそうとするとどうなるでしょうか?
見かけ上は売り上げも変わらず残業もない会社になりますが、そのしわ寄せはサービス残業という形で現れるのです。 残業時間の削減を急いではいけません。残業時間とは様々な対策によって残業が減り、結果的に削減されるべきもので残業時間を起点として考えてはいけません。会社全体を見回す広い視野を持つことができたのならば、具体的な残業削減方法を考えていきましょう。
残業削減の具体策を考える
残業削減をするにあたって、考えるべきはとにかく無駄がないかということでしょう。それは必要な業務なのか、必要ならばもっと簡単にできないか、他と合わせられないかなど、非効率な部分はないか社内を隅々まで調べ上げる必要があります。 業務内容だけではありません。例えば古くて遅いパソコンを使って業務をするより、新しくて速いほうが時間もかからずストレスなく作業できますよね?売り上げを維持し残業削減ができれば利益は増えるはずです。長期的に見て備品を買い替えるべきかをよく考えることも必要です。 しかし効率化にも限界があります。次に考えることは仕事量の削減です。考えられる最大限の効率化を行ってなお残業が減らない場合、それはそもそも現実的な仕事量ではない可能性があります。残業ありきの仕事量では残業は減らせません。ただ、残業してもらうならば残業代は払いましょう。
きちんとした勤怠管理をする
ジタハラによる社員の不満とは残業そのものではありません。それは会社で残業ができずに持ち帰りでのサービス残業となってしまうところにあります。その際経営者や上司はなにができるでしょうか?きちんと残業代を払うことです。 賃金とは労働の対価であるため、社員が業務を行っているのならばそれに対しての支払いは会社としての義務です。そのためには社員がいつ働いているのかをしっかり把握し、きちんとした勤怠管理が必要です。 以上が会社がジタハラと言われないためにできることでしょう。重要なのは残業時間は効率化や業務改善の結果に削減されるということです。残業時間ゼロは長期的な目標として行動することが大切です。次項からは社員がジタハラにあわないための対策について解説します。
ジタハラにあわないための対策って?
ジタハラを防止するために個人にできることはあまり多くはありません。しかしこれらを知っているのと知らないのとではやはり大きな違いがあります。ここではジタハラにあわないための対策を中心に解説していきます。
自分の働き方を見直す
まずは自分の働き方について今一度考えてみましょう。自分だけいつも残業しているなんてことはありませんか?ジタハラにあわない一番の方法は残業しないで帰ることです。そのためにはどうすれば労働時間を短縮できるか考えてみる必要があります。 なにか無駄な作業はしていないか、仕事量が他の人より多くはないかなど自分でやる必要のないことまでやっていると労働時間は当然長くなり、残業する必要が出てきます。仕事を分担し、自分の仕事に集中できるような環境づくりが必要です。 仕事を誰かにお願いするためにも良好な人間関係は築いておくべきです。そしてジタハラをさけるためにもコミュニケーションは円滑にしておきましょう。
上司や同僚とのコミュニケーションを円滑にする
仲が良い相手なら冗談で通じても、そうではないとハラスメント、なんてことはよくあるのではないでしょうか?ジタハラも例外ではありません。もちろんハラスメントと受け取られかねない言動は慎むべきですが、良好な人間関係は不必要なトラブルを避けられます。 さらに仕事の分担や相談がしやすい関係は全体的な業務の効率性を高め、残業時間の削減につながります。そのためにも普段からコミュニケーションをしっかりと取ることが重要です。 ジタハラにあわないためには持ち帰り残業を拒否することも必要です。
持ち帰り残業を拒否する
ジタハラにあわないためには持ち帰り残業をきちんと拒否することです。残業ができないなら残った仕事は次の日にやるという確固たる意志を持ちましょう。残業ゼロ企業ではこれを企業側が行っているところもあります。 やむなく持ち帰り残業が発生した場合、残業時間の記録はしっかりと行っておきましょう。記録しておくことで後々残業代を請求できることがあります。手書きのメモでも証拠となるので記録しておきましょう。残業代が支払われない場合には労働基準監督署に相談することも有効です。 さて、ここまでジタハラの原因である「残業時間削減」ということに重きを置いて解説してきました。しかし果たして残業時間を減らす必要は本当にあるのでしょうか?
そもそも残業時間削減は必要なのか?
残業時間の削減は直接的には長時間労働の是正につながります。それはもちろん大切なことなのですが、同じくらい大切なのがその先にある労働生産性の上昇です。 残業時間削減とは労働の量を削減することによって労働の質を高めようとする企業努力を狙ったものです。見かけだけの残業時間削減を行う企業はおそらくこの先、生き残ることは厳しいでしょう。 その意図を理解し労働生産性を高めることに力を入れた企業ではジタハラと呼ばれるような無理な残業時間削減は存在しないのではないでしょうか?このように残業時間削減は企業のためにも行われるべきものでしょう。
では労働者にとってはどうでしょうか?これは難しい問題です。なぜなら残業をしたいかどうかは人によって異なるからです。例えば小さいお子さんがいる家庭では定時に帰れるのはうれしいことでしょう。 一方で仕事が大好きでそれだけをやっていたいと考える人も中にはいるはずです。残業が好きな人にとって残業時間の削減は、好きなことをやる時間を奪われているともいえるかもしれません。 さて、果たして残業時間削減は必要なのでしょうか?それは「短期的には条件付きで必要、長期的には必要」です。先ほども申し上げたように残業時間削減は労働生産性の上昇に貢献します。現在の非効率的な業務を改善するのに残業時間削減を目標として掲げるのはとても理にかなっています。
しかし実際には残業時間だけを直ちに削減することはできません。よって短期的には直接残業時間を減らそうとしないという条件付きで残業時間削減を目指す必要があります。 一方で長期的には労働生産性の上昇によって残業時間削減されているはずです。よってここで必要なのはこれから増えるであろう残業の削減です。つまり残業しないようにすることです。 ポイントは残業を制度ではなく雰囲気で抑制することではないでしょうか?もちろん制度的な枠組みは必要ですが、仕事をしたい人は仕事をして、そうではない人は帰るのが当然。このような雰囲気を作ることで仕事が好きでずっとしていたい人も働きやすい環境になるでしょう。
ジタハラの有無は会社の命運を分ける!
いかがでしたでしょうか?ジタハラは立派なハラスメントです。健康を害される前に然るべきところへ相談してください。そしてジタハラはその会社に業務改善をする意思があるかないかを示していると言えます。 AIや高度な情報技術によって仕事はどんどん効率化されていきます。労働生産性を改善できない会社が生き残ることは難しいでしょう。 より端的に言えばジタハラがあるかないかはその会社がこの先うまくやっていけるかどうかの指標となります。もちろん絶対ではありません。しかし一つの判断基準として、頭の片隅に置いておいたらどうでしょうか?今回の記事があなたの助けになることを心より願っております。
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