ジャムの法則とは?選択肢が多いと選べない「決定回避の法則」の活用法

ビジネス心理

ジャムの法則、または決定回避の法則とは心理効果の一つです。あらゆる場面で「選択」を迫られた時に、実はこのジャムの法則、とても密接に関係しているのです。選択肢が多くなればなるほど決定が出来なくなる、この心理効果を上手に活用していきましょう。

ジャムの法則とは?

何かを選ぶ、と言う行為は日常の中でも頻繁に起こり得る事です。 買い物であったり、仕事であったり、プライベートでも勿論、何かしらの選択に迫られているものです。 そんな時、あなたはすんなりと物事を決められますか? ジャムの法則(決定回避の法則)は、選択肢が増えれば増える程に、選べなくなってしまうと言う心理効果です。 この心理効果を上手に使い、選べずに終わると言う結果を回避していきます。

ジャムの法則の実験

あるスーパーマーケットでジャムの試食販売がありました。 ここでは、ある週に6種類のジャムを、別の週には24種類のジャムを並べて売り上げに差が出るかの実験が行われたのです。 この実験での結果、なんと選択肢が少ない6種類のジャムを並べた際に試食した人の割合が30%に対して、選択肢の多い24種類のジャムを並べた際の試食をした人の割合が3%、と言う結果が出たのです。 選択肢が増える事で顧客の要望に応える可能性も大きくなりそうですが、多すぎた分選ぶ事に時間がかかってしまい、即決で出来なくなってしまったのです。 悩む人ほど、決断出来ないと言う事ですね。

広がる可能性は不安も煽る?

先に書きましたが、ジャムの法則は選択肢が増えれば増える程、決める事が出来なくなってしまう事を言います。 似た心理効果に「現状維持の法則」があります。 これは選択肢が多くなると、いつもと同じものを選んでしまうというもので、迷う事もなく決定する事が出来ます。 分かりやすい言葉で言うと、決定する瞬間に、「どれを選べばいいかわからなくなってきた」と言う心理と、「いつもと同じでいいや」と言う心理の違いが出てくるのです。 では、迷う際に感じる不安の正体はどんなものなのでしょう?

本当にこれでいいのか?

誰にでも経験があるかと思うのですが、何かを選ぶ時に、「本当にこれでいいのだろうか?」と言う気持ちになる事は、よくある事です。自分にとって最善の決断のつもりでも、比較対象を少しでも見てしまうと、「本当はこちらの方がいいんじゃないだろうか?」と言う不安を抱いた心理が働いてしまうのです。 自分にとって最善を選択した筈なのに、決めきれない。そして選択肢が増えてくればどんどんその不安は大きくなり爆発してしまう。 そして結果的に、選ぶ事すら諦めてしまうのです。 そんな時に、自分の事を優柔不断だから、大事な時に大事な選択が出来ないと思い込んでいませんか? いざ、ジャムの法則を逆手に取って活用していきましょう。

選択の科学を仕事で活用しよう

ビジネスシーンでは、仕事と一括りに言ってもあらゆる場面で選択に迫られる事が多いと思います。 判断に時間がかかってしまうと言う問題は、後々に響いてきます。 やるべき仕事は、どれなのか。一つの仕事に悩んでしまい、他に手がつかず、急ぎを要する仕事さえ見落としがちになってしまっては、効率は下がるばかりです。 自信を持って選択をし、決断まで運べるのか、一つの事例を併せながら考えていきます。

自分のやるべきことに焦点を絞る

ジャムの法則で、選択肢の多い境遇でも決断出来る人はいたわけですから、迷う必要もなく決断した人もいたのでは、という事が言えます。 迷う必要がないと言う事は、しっかりと自分の目的が定まっていたのだと考えられます。 今日は絶対にイチゴのジャムを買う(必要だ)と言う目的がぶれないまま、買い物に出向き目的を遂行しただけに過ぎないのです。 つまり自分の目的がしっかり定まっていれば決断出来るのだとも言えます。目的が決まっていれば、悩む際に迫る不安の心理もそうそう湧き起こったりはしません。

ビジネスシーンでも同じで、まずは自分のこなさなくてはいけない仕事を大なり小なり把握する事から始めます。 やらなければいけない仕事、後回しでもいい仕事…仕事に括りをつけて優先順位を決めてみます。書き出してみると目で整理も出来るので、是非書き出してみましょう。

選択肢に順番をつける

自分のやらなければいけない仕事を書き出したら、そのリストに順番をつけてみましょう。どれもこれも今すぐにでも手を付けなくてはいけないものばかりだと、思いがちですが、実際は自分で必要かどうかの判断が出来れば、順番はつけられます。 重要な仕事、重要であっても急ぎではない仕事、急ぎではあるが重要な仕事、どちらでもない仕事…など内容を仕切り分けしていきます。 この時点でジャムの瓶は無限に置かれている様なものですから、不要な瓶はどんどん除外していきましょう。 選択肢が多くて選べないのに対して、選択肢を狭めていけば選ぶ事もしやすくなります。

必要な事より、必要ではないこと?

必要ではない仕事を除外した後、優先順位をつける事に悩んだら、「どれをやらねばいけないのか」と言う事よりも、「どれなら後回しでいいだろうか」と考えると自分の中で整理しやすいかと思います。消去法です。 残った仕事は優先順位の高いものですから、その仕事を自分の判断できっちり順位づけして、自分が順位をつけた順にこなしていけば、迷う心理はどこにも必要なくなります。 ジャムの法則で言うところの、選択肢が多い状況は一転して自分の目的も明確に見えてくるので、迅速に判断出来る事でしょう。

選択肢の数を維持しよう

ここでうまく仕事の除外も整理も出来たら、今度は自分がそこで整理した仕事の容量は増えない様に維持します。 ジャムの法則に当てはめた時に、折角選択肢の幅を狭めて迷う事から解放されたとしても、数がその後も増えるのであれば、また迷い、悩む事になってしまいます。 新しい仕事が増えた時には、また自分の中で、必要不必要の整理をして、その時に特に急ぎでも必要でもない仕事は除外して、こまめに整理していれば、ペースを乱されることなく、要領よく仕事も進みます。 同時に、「自分はこのくらいの選択量ならきちんと決断出来る」と言う判断基準も分かってくるのです。

どうしても無理な場合は1から

「選べない」と言う心理が働く際に対しての、一つの参考例でしたが、どうしてもこれを出来ないと言う場合があります。 どれもこれも必要な事で、除外するなんて出来ない。ビジネスシーンだけでなく日常、例えば買い物などでもこの問題は挙がるでしょう。 そんな時は一度全て真っ白にしてみるのも、一つの手です。 とにかく全てを切り捨てられないのであれば、一つ一つ、その選択は想像の中でどんな結果をもたらす事を予測しているのか。それを確認していくと、見通しを立てる為の事なので同時に全てをやらなければいけない観念から解放されます。 それこそ、本当に必要な事だけが見えてくるでしょう。

ジャムの法則は日常でも活用できる

ここまでは、ビジネスマンのビジネスシーンに於けるジャムの法則に注視してきました。 しかしビジネスマンのみが選択の場面で悩むわけではありません。 一日の中で何度でも、それこそ四六時中、選択の場面に出くわす事は主婦の方も多いのではないでしょうか。 家事に育児、外に出れば買い物、時間配分を考えながら全てをてきぱきとこなさなければいけない現実は、実際ビジネスマンに引けも取らないかと思います。 そこで、日常生活の中で、ジャムの法則がどれほど役立つのか、考えていきましょう。

主に気を付けるべきは、前述している通り、自分の行動を全て把握する所からです。 そして必要・不必要の整理をして…となるのですが、仕事と一つ違うところは、規則性がない事が主婦業になります。 イレギュラー発生も日常茶飯事で、自分の意思が全く関係しない所で予定が狂うと言うのも珍しい事ではありません。 ですから予定が狂った瞬間、すぐに次の一手を決めないと一日の全てが狂うと言っても過言ではないのです。

ジャムの法則の活用を習慣化する

こう言った背景がある事を踏まえたうえで、ジャムの法則の習慣化は効率が上がるばかりでなく、頭の切り替えも早くなります。 例えばいつも朝の8時に子供を保育園に送るのに、子供が寝坊してしまい、朝の仕事が崩れたとします。 頭の中では多くても3つまで、即座に選択肢を浮かべます。 あれもこれもと欲張らずに一つの目的の為に考えるので、ここでは、子供を一分でも早く保育園に連れて行く。とします。 そこで浮かべた選択肢の中から選ぶというより、切り捨てていき、一つに絞ります。 人間の心理として、一つの工程を終えたら、次にどうするか考えるので、全体像ではなく、一つ一つの仕事を片付けるイメージです。

選択肢は自信を持って選べる様に

いかがでしたでしょうか、二つの場面想定を基に、ジャムの法則の活用性について並べてみましたが、要は 自分の仕事を把握し、 選択肢は必要以上増やさない(カットする) 事で、目的を定め、迷う必要を感じなくなるわけです。

ジャムの法則は、可能性を拡げている様ではありますが、そこに可能性よりも、選択の不自由を感じる様でしたら、是非逆手にとってみてください。 慣れるまでは、大変かも知れませんが、決断に自信を持ち、肩の力が抜けるかと思います。 参考になれれば、幸いです。

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