「母乳がよく出る食べ物って、なに?」
「授乳中、食べてはダメなものはある?」
母乳育児中、ママは食べ物にも気を使いますね。栄養たっぷりの母乳をだすために、授乳中ママはどんな食生活を心がければいいのでしょうか。
また授乳期間中は「脂っこい食べ物や、ケーキなどの洋菓子は控えましょう」などと言われますが、これらの食べ物を絶対に口にしてはいけないのでしょうか。
・おっぱいが詰まりやすくなる食べ物は?
・揚げ物やケーキは、食べてはダメ?
ママの食べたものによって、おっぱいの状態は日々変化します。授乳中おすすめな食べ物や、なるべく控えたい食べ物などについて、まとめてみました。
母乳育児に良い食べ物って?
母乳はママの血液から作られますが、その血液を作るのはママの食べた物です。そのため、質のよいサラッとした母乳がよく出るためには、血液がサラサラになる食べ物を意識してみましょう。
基本的に授乳中は、脂っこい食べ物や洋食を控え、昔ながらの和食中心の食生活を送ると、乳腺炎などの乳房トラブルが起きにくいと言われます。
人間は昔から、その土地でとれるものを十分食べることができれば、ちゃんと母乳が出て、赤ちゃんを育てることができるのです。
むしろその土地以外でとれたもの、またその民族が昔からあまり食べてこなかったような食べ物を急にたくさん摂るようになった時に、身体に異変が起きやすくなり、母乳の出が悪くなったり、トラブルが起きたりしてきます。
引用:「桶谷式 母乳で育てる本」桶谷式乳房管理法研鑽会(主婦の友社)p.98
私たちが昔から食べてきた「和食」は、動物性脂肪が少なく、穀物・野菜・魚介類などがしっかり摂れる食事。乳腺炎になるリスクを減らし、サラサラとした母乳がよく出るようになると言われます。
また、体が冷えると血流が悪くなり、母乳の分泌も滞ります。体を冷やす食べ物を避け、体を温める働きのある食べ物を選ぶようにしましょう。
母乳がよく出る食べ物リスト
それでは、母乳量を増やす食べ物、母乳が美味しくなる食べ物とは、一体どんなものでしょうか。母乳に良いと言われる食べ物について、具体的に見てみましょう。
葉物野菜・根菜
・人参、ゴボウ、大根、さつまいも、じゃがいも、里芋など
ほうれん草や小松菜などの葉物野菜には、授乳期に不足がちな「鉄分」「カルシウム」「葉酸」などが豊富に含まれます。「葉酸」には血液サラサラ効果があるため、葉物野菜をしっかり摂ると、サラッとした美味しい母乳になると言われます。
またゴボウや人参などの根菜類には、体を温める働きがあり、昔から「母乳がよく出るようになる」とされています。食物繊維が豊富に含まれるため、便秘を解消する効果や、腸内環境を整える働きも。
ただし野菜と言っても、トマト、きゅうり、ナスなどの夏野菜や果物は体を冷やすので、たくさん食べ過ぎないようにしましょう。
主食となるご飯
母乳育児ママは、毎日の授乳でカロリーを消費するため、ご飯などの主食からしっかりエネルギーを摂りましょう。「摂取カロリーが足らないと母乳量が減る」というデータもあります。
授乳期間中の主食は、パンよりご飯がおすすめです。スーパーなどで販売される多くのパン類には、イーストや乳化剤などの添加物が含まれています。パンを食べるなら、添加物の少ない天然酵母パンや、米粉パンを選びましょう。
低脂肪な魚類・肉類
・鶏ササミ、鶏ムネ肉、脂肪の少ない赤身肉
滋養ある母乳を出すためには、タンパク質・脂質も必要です。しかし脂肪分の多い肉などをたくさん食べると、母乳の詰まりを招くこともあるため、脂肪分の少ないものを選んで。
おすすめは、脂肪の少ない鶏肉や、白身魚です。サバ、サンマなどの青魚は、摂りすぎると乳房トラブルの原因になるため、量は控えめに。刺し身などの生ものも、食べ過ぎには気をつけましょう。
他に良質なタンパク質としては「豆類」があげられます。枝豆や大豆製品(納豆や豆腐、味噌など)には、ビタミンなどの母乳にいい栄養素がたくさん含まれています。
母乳がよく出る飲み物は?
母乳の出が良くなるためには、たっぷりと水分を補給することも大切です。母乳の成分のおよそ8割は水分なので、母乳を出せば出すほど、母体の水分は減ってしまいます。
こまめに水分をとることは大事ですが、冷たい飲み物を一気に飲むと、体が冷えて母乳の出が滞りがちになります。授乳中は、ノンカフェインの温かい飲み物を飲むようにしましょう。
<母乳にいい飲み物とは>
・たんぽぽ茶、たんぽぽコーヒー
→「母乳がよく出る飲み物」として有名
・ルイボスティー
→カルシウム、カリウム、マグネシウムなどが豊富
・母乳育児用ハーブブレンド
→母乳量が増える効能のあるハーブをブレンドしたハーブティー
母乳にいい飲み物の代表といえば「たんぽぽ茶」「たんぽぽコーヒー」。どちらも焙煎されたたんぽぽ根から作られ、鉄分・ミネラル豊富が豊富に含まれています。
「たんぽぽ茶」も「たんぽぽコーヒー」も同じような効能があり、乳腺炎の予防効果や、母乳が出やすくなる効果で知られます。身体の冷えやむくみを和らげ、便秘を解消する働きも。
ちなみに「たんぽぽコーヒー」はコーヒー風味の飲み物ですが、カフェインは一切含まれていません。授乳中でもコーヒーが飲みたいママにおすすめです。
母乳が詰まりやすい食べ物リスト
それでは、授乳中は控えたい食べ物や、おっぱいが詰まりやすい食べ物には、どんなものがあるのでしょうか。
お母さんの食生活によっては、ドロドロしていてしょっぱくて、冷たいおっぱいになってしまうことがあります。そんなおっぱいを作ってしまうのは、お母さんが食べる脂っこい料理、甘いお菓子、添加物の多いものなどです。
これらは決して口にしてはいけないわけではありませんが、授乳中は控えめにということを覚えておきましょう。乳管の細いお母さんがこれらを摂取すると、驚くほど早く乳管が詰まってしまうことがあります。
引用元:「いちばんやさしいはじめての母乳育児」SOLANIN(ソラニン)(成美堂出版)p.42
授乳中は控えたい食べ物は、脂っこいもの、砂糖たっぷりのお菓子、添加物の多いものなど。それぞれの食べ物について、具体的に見てみましょう。
脂っこい食べ物
・焼肉、脂身の多い肉 など
脂肪を摂取する量が増えると、母乳中の脂肪も増え、ドロドロした質の悪い母乳になりがち。乳腺炎になるリスクも高まるので、食べ過ぎには注意が必要です。
砂糖たっぷりのお菓子
・アイスクリーム、チョコレートなど
白砂糖を使ったお菓子はカロリーが高く、おっぱいが詰まる原因になりかねません。授乳中のおやつは、生クリームたっぷりのケーキなどよりも、和菓子のほうがいいでしょう。
添加物の多い食べ物
・ポテトチップスなどのスナック菓子
インスタント食品やスナック菓子などは、リンを多く含むため、カルシウムの吸収を妨げる原因になります。母乳育児中は、なるべく添加物の多い食べ物は避けるようにしましょう。
乳製品
・バター、チーズなど
乳脂肪を摂りすぎると、母乳中の脂肪分が増え、おっぱいトラブルが起きる可能性が高まります。また乳製品を多く摂ると「赤ちゃんがアレルギーになりやすくなる」と言われます。
乳製品はカルシウム豊富ですが、カルシウムは穀物、魚介類、野菜類、海藻類からでも摂取することができます。
刺激・においの強い食べ物
・キムチ、唐辛子など
ママがカレーやキムチなどのスパイシーな食べ物をとると、母乳の味が変化し、赤ちゃんが嫌がって飲まなくなることがあります。また赤ちゃんの身体に、アレルギーのような発疹がでることも。
また、にんにくのような匂いの強い食べ物もNG。にんにくを食べすぎると、赤ちゃんが授乳を拒否したり、イヤがって乳首を噛むこともあります。
お餅類
・もち米をつかった食べ物
昔から「お餅を食べるとおっぱいがよく出る」と言われますが、お餅を口にすると「血糖値」が急に上がるため、ママの血液も母乳もドロドロになる傾向があります。
そのためお餅を食べると、乳房にしこりができたり、乳腺炎になるリスクが高まります。お餅やもち米を使った和菓子を食べる際は、食べすぎに注意を。
授乳中は控えたい飲み物は
授乳中は何かと喉が渇くものですが、母乳育児ママは飲み物にも気をつけましょう。それでは母乳育児中は控えたい飲み物には、どんなものがあるのでしょうか。
<授乳中は控えたい飲み物>
・アルコール飲料
・カフェインを含む飲み物
・セージ、ペパーミントなどのハーブティー
カフェインには覚醒効果があるため、飲みすぎると赤ちゃんの寝付きが悪くなることもあります。カフェインはコーヒーだけでなく、紅茶や緑茶、栄養ドリンクなどにも含まれるので、気をつけて。
またセージやペパーミントなどのハーブは、母乳の出を抑える働きがあるため、母乳量アップしたいママは飲まないように注意しましょう。
授乳中にハーブティーを飲むなら、母乳育児用にブレンドされたハーブティーがおすすめ。「母乳量アップ」「乳腺炎の予防」などの効能が期待できます。
それでも食べたい時は‥量を控えめに!
揚げ物やカレー、ケーキなどは「母乳詰まり」の一因になるため、おっぱい期間中はなるべく控えたいもの。とはいえ、授乳中ずっと好きなものをガマンするのも辛いですね。「絶対に食べてはダメ!」と思うとストレスもたまります。
脂っこい食べ物やスイーツを食べる時は、量を控えめにして、母乳サラサラ効果があると言われる「たんぽぽ茶」や「ハーブティー」などと一緒に口にするといいでしょう。
甘いものが欲しい時は、ドライフルーツや甘酒を。お肉が食べたい時、さっぱりした鶏肉のメニューを。長い母乳育児中、ストレスをためないよう工夫してみて下さいね。