乳腺炎の治療について│病院で行われる治療方法は?処方される薬は?

乳腺炎 治療

「乳腺炎が悪化‥病院ではどんな治療をするの?」

乳腺炎は、授乳中によくあるトラブルのひとつ。早めに手当てをすれば、自宅ケアで回復することもありますが、悪化させると病院での治療が必要になります。

乳腺炎をそのまま放置しておくと、一気に症状が悪化することもあります。最悪の場合、切開手術などの外科的な処置が必要になることも。

・病院で行われる乳腺炎の治療方法は?
・どんな治療薬が処方されるの?
・切開手術したら、もう授乳はできないの?

乳腺炎になってしまったら、悪化する前に治療することが大切です。病院で行われる治療や、処方される薬、外科的な処置などについて、まとめてみました。

乳腺炎で病院に行くタイミングは?

乳腺炎 病院

急に乳房にしこりが出来て腫れたり、悪寒のあとに発熱したり‥。多くの母乳育児ママを悩ませる乳腺炎には、「うっ滞性乳腺炎」と「細菌性乳腺炎」の2つがあります。

・うっ滞性乳腺炎(非感染症)
→乳房内に古い母乳が詰まり、炎症を起こした状態。

・細菌性乳腺炎(感染性)
→乳頭の傷口などが細菌に感染し、炎症を起こした状態。

「うっ滞性乳腺炎」と「細菌性乳腺炎」の原因は違いますが、どちらも同じような症状が引き起こされます。

症状が軽いうちは、赤ちゃんに頻繁に授乳したり、セルフケアで対処できることもありますが、発熱やだるさ、寒気など「風邪のような症状」が見られたら、乳腺炎が悪化したサインなので、早めに病院を受診するようにしましょう。

<病院に行くタイミングは?>
→発熱したり、悪寒や頭痛を感じたら、できるだけ早く病院の受診を。セルフケアだけで対処しようとすると、症状を悪化させる恐れがあります。

<病院の何科に行くの?>
→乳腺炎で病院に行くなら「産婦人科」「母乳外来」あるいは「乳腺外科」の受診を。まずは細菌感染の有無を検査して、必要に応じた治療が行われます。

乳腺炎は急に40度くらいの高熱が出ることもあり、風邪やインフルエンザに症状が似ています。もし救急や時間外で病院を受診する場合は、まず最初に「いま授乳中です」「乳腺炎の可能性があります」ということを伝えましょう。

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乳腺炎で病院へ‥どんな治療をするの?

乳腺炎 治療

それでは乳腺炎で病院を受診すると、どのような治療が行われるのでしょうか。産婦人科や母乳外来では、主に乳房マッサージなどが行われ、症状に適した薬が処方されます。マッサージや服薬などでも改善が見られない場合、手術などの外科的な処置が行われます。

<病院で行われる治療>

・乳房(あるいはその周辺の)マッサージ
→乳房マッサージによる治療で「乳腺の詰まり」がうまく取れると、膿のような母乳が排出され、症状が軽快します。

・薬による治療
→乳腺炎の治療には、漢方薬「葛根湯」がよく処方されます。必要に応じて解熱剤や鎮痛剤、抗生剤などが処方されます。

・膿を吸引する治療
→薬による治療でも改善がみられず、乳房内に膿がたまった場合、しこり部分に針を刺して膿を吸引する治療が行われることがあります。

・切開手術
→乳腺内に膿瘍(膿のかたまり)ができてしまうと、乳口が完全に閉じてしまうため、切開して膿をだす切開手術が必要になります。

乳腺炎は早めの治療が大切ですが「予約制」で診察する母乳外来は少なくありません。あわてて病院を訪れる前に、あらかじめ電話連絡をしておくとスムーズに受診できるでしょう。また乳腺炎の治療費には医療保険が適用されます。

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乳腺炎の治療で処方される薬は?

乳腺炎 薬

「乳腺炎の治療で薬を飲んだら、授乳できなくなるの?」

薬の成分は母乳に移行するため、処方された薬を飲んでも母乳育児が続けられるかどうか心配になりますね。

乳腺炎の治療には、漢方薬「葛根湯」や鎮痛剤(痛み止め)、抗生剤などが処方されます。母乳に影響をおよぼさない薬が出ることが多いのですが、授乳を一時中断する必要がある薬が出る場合もあります。

乳腺炎は授乳を続けることで症状が軽快することが多いので、医師に「母乳育児を続けたい」という希望を伝え、授乳中でもOKな薬を処方してもらいましょう。

<授乳中でもOKな治療薬>

・「葛根湯」
→初期の乳腺炎に効果的な「葛根湯」には、発汗作用や解熱作用があります。葛根湯は、授乳中でも安心して飲むことができる漢方薬です。

・解熱剤・鎮痛剤
→イブプロフェン(処方薬名:ブルフェン)
→アセトアミノフェン(処方薬名:カロナール、ピリナジンなど)

・抗生剤
→セフェム系抗生剤(フロモックス、セフゾンなど)

授乳中は病院で処方される薬が安心ですが、病院が開いていない時間にひどい痛みがある場合、市販の鎮痛剤を飲みたくなりますね。

WHOが授乳中でも服用できる鎮痛剤として認めているのは「イブプロフェン」(市販名:イブ)、アセトアミノフェン(市販名:タイレノール)の2剤です。

また鎮痛解熱剤として有名な「ロキソニン」は、授乳中の服用が推奨されていません。ロキソニンの母乳への移行率は低いと言われますが、自己判断での服用は控えましょう。

乳腺炎が悪化すると、切開手術が必要なことも

乳腺炎 切開

乳腺炎が悪化し、乳房に「膿瘍」(=膿のかたまり)ができると、母乳の出口が完全にふさがれてしまいます。膿瘍を出そうと、無理にもみほぐすような搾乳をしていると、ますます症状が悪化することも。

乳腺炎を膿瘍ができるまでこじらせると、切開などの外科的な治療が必要になります。外科的な処置としては、乳房にメスを入れ、切開した部分から膿を排出します。

早期に治療せず放っておいて、乳腺絵にに膿瘍(膿のかたまり)が形成されてしまうことも。膿瘍ができてしまうと、その部分は流動性のある液状のポヨンとした腫瘤を触れ、乳口が閉じてしまっているため、もはや排乳ができない状態。

こうなると残念ですが、マッサージではもうどうすることもできないため、切開して膿を出す外科的な処置が必要になります。

引用:「10人産んだスーパー助産師のストレスゼロで続けられる!母乳育児の本」こばやしひさこ(すばる舎)10人p.117

膿の出し方としては、小さく切開してカテーテルで出す方法や、針で吸引する方法などがあります。切開手術は入院せず日帰りでも行えますが、数日~数週間ほどの期間は病院に通院する必要があります。

切開手術後でも、授乳は続けられる?

乳房にメスを入れ、そこから膿を排出しなくてはならない状態になった場合でも、けっして母乳育児をあきらめる必要はありません。

乳房に傷はできますが、そこから膿が出てしまうとしだいに傷の部分からは白い乳汁が出るようになっていき、切開後約10日から2週間で傷口もふさがって元の乳房に回復していきます。

この間、傷口の清潔を保ちながら、母乳を飲ませることもできますし、一時期飲ませられない場合でも、3時間以内の授乳を続け、乳房の機能を維持しておくことによって、また母乳を飲ませることができるようになります。

引用:「桶谷式 母乳で育てる本」桶谷式乳房管理法研鑽会(主婦の友社)p.128-129

手術後、切開した方の乳房からでも授乳は可能です。もし痛みがひどくて授乳したくない場合は、定期的に搾乳をして、母乳の出をキープしておきましょう。多くの場合、授乳あるいは搾乳をしていると、2~3日で痛みは軽快します。

授乳時に切開した部分から母乳が出てくることがありますが、しばらくすると傷口がふさがり、止まるようになります。

母乳育児中は、ママ自身のケアも忘れずに

乳腺炎 治療

授乳中ママは赤ちゃんのお世話で忙しく、育児の疲れもたまりがちがちですが、ストレスや疲労は乳腺炎の原因のひとつ。できるだけストレスも睡眠不足もためないようにしたいですね。

乳腺炎を悪化させないためには、こまめに赤ちゃんに吸ってもらうことが大切です。もし赤ちゃんが飲みきれない時は、自分で搾乳しておきましょう。搾乳しても胸がパンパンに張るときは、早めに母乳外来で適切なケアを。

乳腺炎を予防するハーブティーやたんぽぽ茶もおすすめです。しっかりと水分補給をして、体内の循環を促しましょう。忙しい毎日ですが、ママ自身の体もケアしてくださいね。

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執筆者:菜月

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