母乳育児の赤ちゃんのウンチは、ゆるくて回数が多いものですが、毎回のように赤ちゃんの便が水っぽいと「もしかして下痢?こんなにユルくて大丈夫?」と不安になりますね。
また「お母さんの食べ物のせいで、赤ちゃんが下痢をした」という事はありませんか?母乳育児ママは、食べ物にも注意が必要なのです。
・母乳育児のゆるいウンチと、下痢便との見分け方は?
・新生児・赤ちゃんの下痢の原因は?
・下痢の対処法と、おうちで出来るケア方法とは?
母乳と下痢の関係、下痢をした赤ちゃんのケア方法などについて、まとめてみました。
母乳育児の「軟便」と「下痢」‥その見分け方は
赤ちゃんの便は、もともと水分が多いもの。特に新生児期のウンチはユルユルなので、下痢をしているのか普通のウンチなのか、見分けるのも難しいですね。
母乳育児の赤ちゃんは、粉ミルクの赤ちゃんよりもウンチがやわらかく、軟便であることがほとんどです。それでは母乳の赤ちゃんの軟便と下痢は、どのように見分けたらいいのでしょうか。
<こんな状態だと「下痢」の可能性が>
・水分の多い液状のウンチ(水様便)である
・酸っぱいような臭いがする
・急に吹き出すように出る
赤ちゃんが下痢をしているかどうか区別するためには、オムツを替えてあげるたびに、便のにおいや色などをチェックしましょう。
酸っぱいような臭いがする液状のウンチが出るなら、下痢をしている可能性があります。赤ちゃんの様子をよく見て、機嫌が悪くないかどうかなどチェックしておきましょう。
赤ちゃんの下痢の原因とは
赤ちゃんの消化器官はまだ未熟でデリケートなため、ささいなことで下痢をしてしまいます。
<よくある下痢の原因とは>
・胃腸の感染症
・食べ物があわなかった
・離乳食で新しい食材を試した
・食物アレルギー
・水分のとりすぎ
・体の冷え
よくある赤ちゃんの下痢の原因は、胃腸の感染症です。胃腸炎からくる下痢便は、水っぽかったり、緑のうんちだったり、くさい臭いがします。急に下痢便が大量にでたり、血液がまざることもあります。
胃腸の感染症から胃腸が回復するには、時間がかかることがあります。「元気そうだけど、下痢が続く」という状態が1ヶ月ほど長引くこともあります。
下痢と嘔吐がある時は‥脱水症状に気をつけて
下痢の際に一番心配なのは、脱水症状です。下痢をすると、大量の水分が体外に出てしまいます。さらに嘔吐の症状もあると、脱水症状のリスクは高くなります。
赤ちゃんに、以下のような脱水症状のサインが見られたら要注意です。
<軽度から中度の脱水症状>
・5%の体重減少
・よく遊ぶが、動きがおとなしい
・口が渇き、泣いても涙が少ない
・いつもより尿の回数が少ない<重度の脱水症状>
・5~10%の体重減少
・ぐったりしたり、刺激に過剰な反応を示す
・目のくぼみ
・頭のやわらかい部分(大泉門)がくぼむ(1歳未満の乳児)
・口が渇き、泣いても涙が出ない
・肌が乾燥し、青くなり、しわになる
・尿の回数が少ない(1日2~3回か、それ以下)
・暗黄色の尿引用:「シアーズ博士夫妻のベビーブック」ウイリアム・シアーズ他(主婦の友社)p.621
「重度の脱水症状」のサインが3つ以上あてはまった場合、あるいは赤ちゃんの具合が悪そうな場合は、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。
<こんな場合は、病院へ>
・ぐったりとして元気がない
・発熱している
・嘔吐している
・便に血や粘液が混ざっている
・水のような便が1日に10回以上でる
・下痢が1週間以上つづく
食欲があり、発熱も嘔吐もなく元気な様子なら、家で様子を見ていてもいいかもしれません。それでも1週間以上も下痢が続くようなら、小児科を受診した方が安心です。
母乳は下痢の原因になる?
赤ちゃんの下痢が続き、酸っぱいような臭いの便をしているなら「乳糖不耐症」の可能性があります。
<「乳糖不耐症」とは>
乳製品に含まれる乳糖を分解するためには「ラクターゼ」という腸内酵素が必要なのですが、この「ラクターゼ」が、遺伝的な原因または急性胃腸炎などの原因により、十分に生産できなくなること。
もし「乳糖不耐症」と診断されたら、症状が回復するまで乳製品を摂ることは控えましょう。
「乳糖不耐症」でも、母乳育児を続けることはできます。母乳には、赤ちゃんの腸内環境を整える働きのある成分が豊富に含まれているため、下痢の症状をケアすることができます。
おうちで出来る!赤ちゃんの下痢のケア方法5つ
「病院に行くほどではないけれど、赤ちゃんの下痢が続いてる‥」
元気そうで機嫌もいいけれど、赤ちゃんの下痢が続いている場合、家ではどのようなケアをすればよいのでしょうか。自宅で出来る対処法のヒントを見てみましょう。
1)水分をこまめに補給する
下痢をすると、たくさんの水分が体外に出てしまいます。脱水状態を予防するために、赤ちゃんにこまめに水分をあげましょう。
赤ちゃんがぐったりしていたり、泣いても涙が少ししか出ない場合は、脱水症状を起こしている恐れがあります。
ただ水分の補給は大切なのですが、赤ちゃんに冷たい飲み物をあげると、下痢が悪化する恐れがあります。冷蔵庫に入っていた冷たい飲み物をそのまま与えるような事はせず、室温程度のものか、温かい飲み物を少しずつあげるようにしましょう。
<月齢が低い場合、水分は母乳のみでOK>
5~6ヶ月頃までの赤ちゃんの場合、母乳のほかにお茶などをあげると、かえって下痢の状態が悪くなることがあります。
月齢の低い赤ちゃんの水分補給は、母乳のみでOK。下痢の程度が軽いうちは、いつもより多い回数、授乳してあげましょう。
2)消化のいい食べ物を
離乳食を始めてから下痢が続く場合は、下痢の症状がおさまるまで、いったん離乳食を止めてみましょう。また下痢が治って離乳食を再開する場合は、消化のよい食べ物をあげて、便の様子の観察を。
離乳食に慣れてきた頃に下痢気味になる場合は、できるだけ消化のよい食べ物、お腹にやさしい食べ物をあげましょう。
おろしたリンゴなどは、胃腸の回復を促進するのでおすすめです。また葛(くず)には体を温める働きや整腸作用もあるので、葛をお湯で溶いて「くず湯」にして、少しずつ食べさせてあげてもいいでしょう。
<下痢の時でもOKな食べ物>
・おかゆ
・おじや
・温かいうどん
・おろしたリンゴ
・葛(くず)
<下痢の時は避けたい食べ物>
・柑橘類の果物
・お肉
・お魚
・乳製品
・冷たい食べ物
下痢の症状がおさまっても、2~3日は糖分の多い食べ物・消化に悪いものは避けましょう。柑橘類の果物やジュース類も、しばらくは控えて。
下痢をしている時でも、母乳はいつもどおりにあげて大丈夫です。飲みたがらない場合はムリに飲ませず、様子を見ながら少しずつ授乳してあげましょう。
3)赤ちゃんのお腹を温めてあげて
元気そうに見えるけれど、赤ちゃんの下痢が続いている場合、「体の冷え」が原因のことがあります。赤ちゃんの体、とくにお腹を意識して温めてあげましょう。
赤ちゃんのお腹を、お母さんの温かい手で、時計回りにゆっくりマッサージしてあげるのも効果的です。
ぬらしたタオルをレンジで温めて「温タオル」を作り、赤ちゃんのお腹を温めてあげてもいいですね。ただし、低温やけどには気をつけましょう。
4)おむつかぶれには注意を
下痢便が続くと、おむつかぶれを起こすことが多いので、おむつはこまめに替えてあげましょう。またウンチのあとは清潔を保つために、赤ちゃんのおしりをお湯で洗ってあげて。お湯を含ませたガーゼでおしりをキレイにしたあと、乾いたタオルで拭いてあげてもOK。
下痢をしていても、赤ちゃんの機嫌がよく、発熱も嘔吐もしていないなら、お風呂に入っても大丈夫。おむつかぶれを予防するためにも、おしりをよく洗ってあげましょう。
またおむつを替えた後には、お母さんの手をキレイに洗うことを忘れずに。細菌感染による下痢の場合、お母さんにもウイルスが感染してしまう可能性があります。
5)母乳育児ママは、食べ物に要注意
「辛いもの、香辛料の多いものを食べたら、赤ちゃんが下痢とした‥」そんな心当たりはありませんか?母乳育児ママの食べたものによって母乳の味は変わり、その成分は母乳にも移行します。
そのため授乳中は、カレーやキムチ鍋などの辛いもの、コーヒーなどカフェインを含むものなどはなるべく避けましょう。乳腺炎などのトラブルの原因にもなるので、ケーキやチョコレートなどのお菓子、脂っこい食事なども控え目に。
「どうしても食事制限はしたくない‥」というママは、母乳育児定番のお茶「たんぽぽ茶」を毎日飲むようにしてみては。たんぽぽ茶は母乳の出を促す効果で有名ですが、母乳の質を良くする効果、乳腺炎を予防する効果でも知られています。
母乳には下痢の症状をケアする効果も
赤ちゃんの腸内環境を整える働きのある母乳は、下痢をしている赤ちゃんの心強い味方。赤ちゃんが飲みたがらない時は無理にあげることはありませんが、飲みたそうにしていたら、こまめに授乳してあげましょう。
<よくある下痢の原因とは>
・胃腸の感染症
・新しい食べ物
・食べ物が体にあわない
・食物アレルギー
・水分の摂りすぎ
・体の冷え
<下痢のケア方法>
・こまめに水分補給をする
・食べ物は消化のよいものを
・お腹を温めてあげる
ウンチは赤ちゃんの健康のバロメーターです。よく観察して、デリケートな赤ちゃんの胃腸の状態をチェックしてあげましょう。
下痢をしていても元気な様子なら、短時間のお出かけをしてもOK。ただ病気をうつしてしまう恐れもあるので、ほかの赤ちゃんと会う場所に行くことは控えましょう。
赤ちゃんの腸内環境を整えるためにも、母乳育児ママは美味しいおっぱいを出したいものですね。母乳の質を上げるには「たんぽぽ茶」がおすすめ。一度お試ししてみては?