天才と聞くとどのような印象があるでしょうか。生まれながらの能力なのか、努力によるものなのかは議論もあります。そんな天才の性格や顔の特徴、幼少期、天才肌や凡人の能力の違いについてなど、様々な観点から天才と言われる人物の特徴に迫ります。
天才とは?
「天才」とは具体的にどのような人を指す言葉なのでしょうか。よく使われる言葉ですが、その実態を詳しく知っているかと聞かれると、なかなか難しいテーマかもしれません。
幼少期からの天賦の才能なのか、努力を重ねることで天才になれるのか、天才をめぐる議論には謎がつきまといます。行動面や、顔の見た目、性格には何か共通の特徴があるのでしょうか。
天才の意味
辞書で「天才」を調べてみると、大辞林では「生まれつき備わっている、きわめてすぐれた才能。また、その持ち主」と書かれています。また「デジタル大辞泉」には「生まれつき備わっている、並み外れてすぐれた才能。また、そういう才能をもった人」との説明があります。
また、類語を調べてみると「天才肌」という言葉が見つかりました。天才と天才肌は何が違うのでしょうか。また反対語として「凡人」という言葉がありますが、天才との決定的な違いは何なのでしょうか。天才と天才肌、そして凡人との違いについてもご紹介します。
天才と天才肌と凡人との違い
私たちは日常的に「天才」とか「天才肌」という言葉を使いますが、その特徴を詳しく考える機会はあまりありません。天才の特徴とは何でしょうか。また凡人との違いについても考えてみましょう。
天才の定義とは?凡人との違いについて
先ほど天才の定義をご紹介しましたが、逆に「凡人」という言葉を調べると「普通の人。ただの人」という説明が書かれていました。「われわれ凡人には思いつかぬこと」という例文からわかる通り、天才と凡人とは似ても似つかぬ異なる存在として使われます。では、一般人は能力を磨いても天才になれないということなのでしょうか。
天才肌とは
「天才」とは別に「天才肌」という言葉が使われることもあります。天才と天才肌とは何が違うのでしょうか。「デジタル大辞泉」によると、天才肌の説明として「天才かと思うほどに人並み優れた能力を持っている」「人に天才かと思わせるような雰囲気を持っている」「天才であるかのように振る舞う」などがあげられています。
つまり、ずばり天才と呼べるだけのレベルには至ってはいないものの、それに準ずるランクにある人物のことが「天才肌」と呼ばれているのが実態のようです。天才肌は、あくまでも一般人を指す言葉であり、天才とは異なる特徴があるということになります。
秀才とは
また「秀才」という言葉を耳にすることもあります。歴史的には中国で役人を登用するために行われていた科挙という試験に由来する言葉だそうで、日本でも律令制の時代に式部省が行っていたテストを「秀才」と呼んでいたそうです。役人を登用するためのテストですから、いかに勉強してきたかが問われるものでした。
このことから、天才が生まれつきの天賦の才能をもった人物を指す言葉であるのに対し、秀才は自分で努力を重ねて勉強し、いかに知識を備えているかという、後天的に身に着けた優秀さを示す言葉として使われるようになっています。天才肌と秀才は似た特徴を持つ言葉だと言えます。
【行動編】天才の特徴
では具体的に天才の特徴を見ていくことにしましょう。「行動」における特徴と「見た目」における特徴に分けて考えてみます。行動面から見られる特徴として22点、見た目の顔の特徴として3点ほどピックアップしてみました。まずは行動面です。天才とされる人物にはどのような特徴があるのでしょうか。幼少期からの能力的な特徴はあるのでしょうか。
特徴①数字に強い
「少年が普通人の遠く及ばぬ見識を懐いていて、専門家さえ舌を巻くがごときことをし、中でも驚いたのは、数学で非常に偉いものがある」「(彼は)算盤も一本の筆も用いないで正確な数字を答えた」「79万3625に9万9673を乗ぜよと命じると、ただちに791億1098万4625と答え、僕は3、4分かけて計算して答え合わせをした」
これは教育者で知られる新渡戸稲造が、著書「修養」の中で紹介している、ある天才の人物事例だそうです。ひどく驚いている新渡戸稲造の様子が伝わってきます。天才の全てにこうした能力が備わっているわけではありませんが、天才がいかに驚異的な才能をもつかという事例としてインパクトのあるエピソードだと言えます。
一方で、もともと幼少期から才能をもっていた天才もいるでしょうが、驚異的な集中力をもち、後天的に自分の努力で数学の能力を高めた天才もいることでしょう。天才肌ということもできます。
特徴②好奇心旺盛
発明で知られるエジソンは、幼少期にガチョウが卵をあたためる現場を見ます。ひなをかえすための行動だと知ったエジソン少年は、自分で試してみないことには気がすまず、実際に自分で卵をかかえて温めてみる実験をやったと言います。
また慶応大学を創立した福澤諭吉は、幼少期から「神の祟」に疑念をもっていたそうで、神様の御札を足で踏んでみたり、神棚にある石を取り替えてみるなどの実験をして周りを驚かせたといいます。
多くの天才たちは、幼少期から旺盛な好奇心をもつことで知られています。何でも自分で見てみたい、自分で聞いてみたい、自分でやってみたいというチャレンジ精神があり、自分でやらないと気がすまないということです。いたずらにも見えますが、天才たちからすれば好奇心以外の何者でもないということなのでしょう。
特徴③読書が好き
天才は読書好きが多いことでも知られています。もともと読書が好きという天才もいるでしょう。また親の影響で幼少期から読書習慣がつき、片っ端から本を読んでいく日常の中で、能力を開花させていったという天才もいるはずです。読書には知識を増やす効果があるだけでなく、視野を広げ、人格形成に良い影響を与えることはご存知の方も多いことでしょう。
特徴④集中力がある
天才は、これと決めたらとことん突き詰めるという驚異的な集中力があることでも有名です。作家の夏目漱石は、名作「坊っちゃん」をわずか1週間で書き上げたという話が残っています。1冊の本を書きあげること、しかも名作とされる作品に仕上げるのは短期間では不可能です。超人的な集中力をもつ天才ならではの偉業だと言えるのではないでしょうか。
また天才音楽家としてしられるモーツァルトが作曲を始めたのは5歳の頃と言われています。その後35歳で亡くなりますが、30年という短い間に900曲を超える作品を生み出したとされます。
単純に平均すると年間30曲という驚異的なペースになりますが、日常生活では身の回りの整理整頓すらできなかったようで、いかに音楽に対する集中力があったかがわかります。
特徴⑤幼少期からひらめきがある
天才は幼少期から鋭いひらめきをもつと言われます。発明王エジソンは「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」と語っていますが、世の中の偉大な発見や発明は、必ずしも努力だけによってもたらされたものではないようです。独特な感性やひらめきがあってこその偉業であるわけです。鋭いひらめきを幼少期から示す天才たちは少なくありません。
特徴⑥左利きが多い
世の中の10%は左利きだと言われていますが、天才には左利きが多いとされています。調べたところ、左利きの偉人として、モーツァルト、ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、マリー・キュリー(キュリー夫人)、近年ではスティーブ・ジョブスやビル・ゲイツといった名前が見つかりました。アインシュタインは両利きだったという話もあります。
イギリスにあるリバプール大学のフェルナンド・ゴベット教授らの研究でも明らかになっているようで、左利きの人は平均して右脳が発達していると言われています。また右脳と左脳をつなぐ脳梁が大きく、右脳と左脳の連結が強いとの話もありました。左利きと天才には強い関係があるようです。
特徴⑦物事を組み立てて考えるのが上手
天才の特徴を調べてみると、いくつかの特徴の中で「物事を組み立てて考えるのが上手」との指摘を見つけることができました。物事の筋道を立てて考える、つまり論理的思考力です。常識的な考え方に固執するのではなく、凡人には思いもつかないようなロジックで物事を見ていこうとするのもお手の物です。
あらゆる観点から考えることができ、自分独自の論理と組み立てによって考察ができます。だからこそ、偉大な発見にたどりつけるわけです。「天才だ」とか「天才肌だ」と称されるのは、物事を組み立てて考えるのがあまりにも見事すぎるからなのかもしれません。
特徴⑧マイペース
天才にはマイペースな人物が多いようです。何事も自分のペースで取り組む傾向があり、驚異的なスピードで仕上げることがある一方で、それが興味の対象外なら一切手を付けないという特徴があるようです。
アインシュタインは、洗顔用と髭剃り用の2つの石けんを前にして「顔を洗うのと髭をそるのと2種類もの石けんを使い分けるなんて、複雑なことは私にはできない」と語ったという有名な話があります。こうしたところが「マイペース」と見られるのかもしれません。
特徴⑨自分の感性を大事にしている
天才研究で知られるF.ゴルトンは「鋭い感性をもっている」点と「豊かな想像力を有する」という2点を特徴にあげています。鋭敏に感じ取り、感じ取ったものからさらに想像してふくらませていく、そうして新たなものが生み出されるというわけです。
自分の感性を信じ、簡単に他人に流されないという特徴です。天才が近づきにくいとされるのは、ここに理由がありそうです。
特徴⑩パズルが得意
特徴⑦の「物事を組み立てて考えるのが上手」とも関連しますが、パズル好きな傾向があるようです。パズルは頭脳の鍛錬に役立ちます。幼少期から旺盛な好奇心をもち、集中して取り組むことに長けた彼らは、複雑なパズルにも果敢に挑戦します。凡人ならすぐに投げ出しそうな立体パズル「ルービックキューブ」ですらお手の物という天才もいることでしょう。
特徴⑪話し上手
天才はトークがうまいと言われます。もちろん全ての天才が話し上手というわけではないでしょう。しかし優れた才能は、鋭い着眼点やスピーディーな頭の回転につながります。結果として話し上手になってしまうということなのでしょう。
人並み外れた知識をもち、相手が求めるものを瞬時に判断できる天才なら、自然とトーク上手になるのも不思議ではありません。
特徴⑫常識にとらわれない
「常識にとらわれない」というのも天才に共通する要素とされています。自分を信じ、自分の判断軸で行動する彼らは、たとえ常識的なことであっても自分が疑問を感じることであれば調べ始めようとします。あたりまえとされることであっても質問を重ねることから、幼少期に先生から敬遠されたという経験をもつ天才も少なくありません。
社会からすれば、常識にとらわれない天才たちの行動は、それこそ「世間の常識は自分の非常識、自分の常識は世間の非常識」と見えるのかもしれません。
特徴⑬継続ができる
天才の特徴の一つは、これはというものがあればトコトン突き詰めるということです。納得できるまで集中して取り組むため、結果として「継続ができる」わけです。天才には好きなことに熱中できる力があり、その力は凡人の想像を絶するような力があることも事実です。努力の継続は、素晴らしい結果を生み出すための大事な要因です。
ただし継続できる対象は興味のあることに限られ、そうでないことには徹底的に無関心であるという傾向もあります。そうした特徴については既にご紹介した通りです。
特徴⑭独創的
天才の特徴として「独創的である」という点も有名です。天才が生み出した作品だけでなく、天才たちの破天荒な行動を見ても、凡人には想像もできないようなオリジナリティがあります。その独特な行動は、ともすれば「問題行動」と見られることもあります。
しかし活躍をとげた天才たちを見ると、それだけの才能の発芽を支えるだけのサポートが周辺にあることがわかります。類まれな独創性を育てるには、やはり環境も大事なのかもしれません。
特徴⑮能力が平均よりも高い
天才の特徴として様々な点をあげてきました。もちろん全ての天才に全ての要素が当てはまるわけではありません。人物によっては、ある特徴は兼ね備えていても、別の特徴については必ずしも当てはまるとはいえないという可能性もあります。
1つの能力だけが突出している人物もいますが、総合的に共通して言えるのは、能力が平均よりも高いという点です。類まれなる集中力をもち、興味をもったことには果敢にチャレンジできるのが天才です。能力が自然と上がってしまうのは当然とも言えます。
特徴⑯限界を定めない
天才は限界を定めません。可能性は無限大です。自分で限界を設けてしまえば、限界を超えるようなことを実現させることはできません。天才が偉大な業績を生み出すのは、社会が考える限界を限界ととらえず、自分が納得するまで徹底的にチャレンジするからです。限界を定めないからこそ、限界を打ち破るような偉業をなしとげることができるのです。
特徴⑰雑事を気にしない
雑事を気にしないというのは、重要ではないことや、雑用に感ずるようなこと、細かいことを気にしないということです。天才は、自分が関心を寄せる対象にのみ集中し、興味のないことには取り組まないという傾向があります。結果として、それ以外のことを気にしなくなるわけです。
他の人にどう思われるか、他人の目や評判を気にすることもなく、熱中している時には食べることも寝ることも気にしない天才たちもいます。しかし反対に、自分が真剣に取り組んでいることについては、徹底的に取り組みます。
特徴⑱見た目重視ではない
雑事を気にしないということは、つまり見た目重視ではないということです。「天才と変人は紙一重」と言われますが、天才と言えば、髪はボサボサ、寝癖をつけたまま表に出てくるというイメージを想像する人は少なくないでしょう。部屋の整理ができず、たくさんの書類や本が山積みになっているイメージもあります。
こうした傾向は、自分自身の見た目が気にならないだけでなく、相手の人の見た目や顔の表情なども気にならないということにつながります。興味のないことには意識が向かないため、自然とそうなるのも無理はありません。
特徴⑲協調性がない
天才の欠点として取り上げられることが多いのですが、天才は協調性がないと言われることがあります。天才は自分が大事で、自分の基準で行動しようとする傾向があります。自分の独創性に忠実に、またやりたいことをとことん突き詰める反面で、やりたくないことは一切やらないという傾向です。
この結果、周りに迷惑をかけてしまうことも出てくるわけですが、周りのことを考えず自分を中心にして突き詰めていく姿勢は、凡人からすれば協調性がないと見えるのも無理はありません。活躍した天才には、その協調性のなさを補う役割を担った近親者が意外といるものです。
特徴⑳努力家でもある
天才は努力家でもあります。発明王のエジソンが「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」と語ったことはすでにご紹介した通りです。ひらめきの重要性を語るものですが、同時に語られているのはいかに努力が重要かという点ではないでしょうか。天才肌の人間には意欲的な努力の習慣がつきものです。
また「神童も、大人になればただの人」という言葉もある通り、幼少期から兼ね備えた天才的な能力も、努力をすることで自分の能力を磨き続けなければ、ダメになってしまいます。才能を発揮し続けるためには努力が必要です。努力を努力と感じることなくやりのけてしまうというのも天才の特徴と言えるかもしれません。
特徴㉑睡眠時間が短い
「寝食を忘れる」という言葉があります。寝ることも食べることも忘れて、何かに集中して取り組む様を言いますが、これも天才の特徴と言えます。ずば抜けた集中力で取り組む天才たちは、寝食を忘れて何かに取り組むということを日常的にこなします。結果として睡眠時間が短くなるわけです。
短時間睡眠と言えばナポレオンが有名ですが、1日に3時間しか眠らなかったという話があります。またエジソンも、研究に没頭すると2日も3日も寝ない日があったとも言われます。頻繁に昼寝をとっていたとの指摘もありますが、傾向として睡眠時間が短くなることが多いという特徴がありそうです。
特徴㉒早口
天才には早口が多いとされています。頭の回転が速いため、思考スピードに合わせて話そうとすると、自然と早口になってしまうわけです。また話している最中も、頭の中ではどんどん思考が進みます。新たな発見も出てくるので、それもまた急いで伝えなければ忘れてしまいます。天才に早口が多いのは、そうした背景があるからに違いありません。
【見た目編】天才の特徴・イメージ
天才の行動面での特徴を見てきましたが、今度は顔、つまり見た目です。「見た目も関係あるの?」と思う人もいるでしょうが、調べてみると顔の特徴に関する意外な研究成果が見つかりました。はたして天才にはどんな見た目の特徴があるのでしょうか。顔の特徴を3点にまとめてご紹介します。
特徴①顔が面長
顔の特徴の1つ目にあげられているのは「顔が面長」というものです。これはチェコのプラハ・カレル大学の研究結果にもとづくもので、人間の容姿と知能の結びつきを調査したものだそうです。男女40人ずつ合計80名をピックアップして、その写真を160名の人々に見せます。
頭が良さそうだと思われる顔を調べ、その人が本当に頭が良いかどうかを知能検査で調べたといいます。当てはまるのは男性だけのようですが、頭の良さそうな人は、実際に知能指数が高いという結果が出たのだそうです。
特徴②離れ目
顔の特徴の2つ目は、目が離れているというもの。目が離れていることと天才とにどんなつながりがあるのか、これまた不思議な点ですが、これも同大学の研究結果によるものです。皆さんが想像する天才たちの顔を思い出してみて下さい。離れ目という特徴を聞いて、皆さんはどう思われるでしょうか。
特徴③シャープな顎
顔の特徴の3つ目は、顎がシャープな形をしているという点です。これも男性については実際に知能指数が高いという結果が出ているそうです。またこれとは別に、ロンドンの研究チームの発表では、IQが高いほど美男美女が多いとの見解が発表されているとの情報を見つけることができました。
もちろん、こうした顔の特徴が全ての天才に当てはまるというわけではないでしょうが、こうした特徴をふまえて周りを見回してみると、意外なところに天才が見つかるかもしれません。
天才の性格とは
天才の行動面での特徴や顔の外見の特徴を見てきました。では、天才の性格にはどのような特徴があるのでしょうか。凡人との違いはあるのでしょうか。ここでは大きく分けて5つの性格から、人物としての天才の特徴について考えてみます。
性格①一人が好き
天才の性格とされる特徴の1つ目は、孤独が好きだということです。自分を信じ、自分の価値観で生きている天才たちは、群衆に群れることを良しとしません。
非社交的だという見方もありますが、逆に言えば一人で黙々と課題を遂行したがるのが天才の特徴だということもできます。もちろん周囲からの理解者が少ないために孤独になってしまうという側面もあるかもしれませんが、それでも気にせず黙々と集中し続けることができます。
性格②興味の偏りがある
天才の性格とされる特徴の2つ目は、興味の偏りがあるということです。天才は興味のあることには徹底的に突き詰めるものの、興味のないことには一切関わりたいとも思わないというくらい、その興味の偏りが非常に大きいことが特徴として知られています。
進化論で有名なチャールズ・ロバート・ダーウィンは医者一家の出身です。大学で医学を学ぶものの、興味がなくて退学します。しかし彼が極度に愛していたのは昆虫採集でした。家族を呆れさせるほどだったようですが、彼が昆虫に熱中して取り組んだことが、後の進化論の発見につながったといいます。
性格③言い訳をしない
特徴の3つ目は言い訳をせず、自分をごまかさないということです。エジソンは電球の発明に成功するまで数多くの失敗を重ねてきました。ある新聞記者から「たくさんの失敗をしましたね」と意地悪な質問をされた時、エジソンは「失敗ではありません。うまくいかない方法を数多く発見することに成功したのです」と返したそうです。
これを言い訳と見る人もいるでしょう。しかしエジソンは自分をごまかしたわけではありませんでした。うまくいかない方法を新たに見つけることで、うまくいく方法に近づいているという実感があったはずです。だからこそ、あきらめずに挑戦し続けることができたのではないでしょうか。言い訳は成功を遠ざけます。天才は自分をごまかさないのです。
性格④変わっている
天才の性格とされる特徴の4つ目は、変わっているということです。凡人には想像もつかないような発想をしたり、行動をしたりする点は、常識を大事にする社会からすれば非常識と見えることもあるでしょう。
極端な例ですが、画家のゴッホは自画像で自分の顔を描く際、自分の耳が邪魔だと自ら切り落としたという有名なエピソードがあります。普通ではない奇行を、天才は平然とやってのけてしまうのです。
性格⑤頑固
このように1人が好きで興味関心には大きな偏りがあり、人間的にも変わっているとされるのが天才の性格的な特徴です。世間の常識や他人の考えに流されず、しっかりと自分をもって徹底的に貫くという特徴をもちます。
当然人付き合いは難しいとされ、性格が悪いと見なされるようにもなります。天才が頑固だと言われるのも無理はありません。これが天才の性格とされる特徴の5つ目になります。
現在でも天才として語られる歴史上の人物をご紹介
ここまで、天才の行動面での特徴や顔の外見の特徴、そして天才の性格を分析することで、天才とは何かというテーマにアプローチしてきました。天才の実像がだんだん見えてきたのではないでしょうか。ここからは、天才とされる人物を取り上げてみることにします。今までまとめてきた「天才の特徴」を頭にイメージしながら分析していきましょう。
アインシュタイン
ドイツ生まれの理論物理学者、アルベルト・アインシュタインは「現代物理学の父」とも呼ばれる天才です。26歳で特殊相対性理論、37歳で一般相対性理論を発表したことが知られていますが、42歳で受賞したノーベル賞は「光電効果の法則の発見」等によるものです。生涯の中で、数多くの理論を発表し、物理学の認識を根本から変える役割を果たしました。
そんな天才アインシュタインですが、5歳まで言葉をあまり話さなかったようで、幼少期には両親を心配させたといいます。5歳で方位磁針をもらうと自然界に興味をもつようになり、幼い頃から数学が得意で、9歳でピタゴラスの定理を自ら証明したりと天才ならではのエピソードも豊富です。
身だしなみに気を使わないことでも有名で、靴下ははかない、人前で笑わない、スペルを頻繁に間違える、「R」の大文字を生涯鏡字で書き続けた、「調べればわかることを覚える必要はない」と簡単な数字や記号を覚えるのを苦手としていたなどの逸話も有名です。
シェイクスピア
イギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピアは、最も優れた英文学作家と評される天才です。28歳にデビューしてから20年の間に『ハムレット』『マクベス』『オセロ』『リア王』の4大悲劇を発表します。また『ロミオとジュリエット』『ヴェニスの商人』『夏の夜の夢』『ジュリアス・シーザー』などは、彼の名傑作とされています。
1564年生まれのシェイクスピアは、時代が古いこともあって手紙や日記、自筆原稿なども残っていないそうです。自身に関する資料が少なく、いわゆる天才としてのエピソードをふくめ、個人の人物像を伝える話はあまり見つかりませんでした。
織田信長
戦国大名の織田信長は、次々と領土を広げ、天下統一の一歩前まで成し遂げた人物です。統一の偉業に迫った天才ですが、その際は戦いにおけるもののみではありませんでした。
関所の撤廃や城下町を発展させるために新興商人の自由な営業を許した「楽市楽座」、田畑の調査を行う「検地」によって農業生産高を把握、それに基づく課税台帳の整備を行うなど、革新的な政策を行なったことでも知られています。
一方で幼少期の織田信長には「尾張の大うつけ」というあだ名がありました。幼少期から奇抜で異様な見た目の衣装を着て街を歩いたり、突拍子もない行動を見せることがあったそうです。こうした奇行は数々の天才が共通してもつエピソードとも言えそうです。
今現在天才と呼ばれている日本人
歴史上の人物だけではなく、現在活躍している人物の中にも天才と呼ばれる人たちはいます。たくさんの天才が存在するわけですが、ここでは世界でも有名な日本人として、宮崎駿、イチロー、ビートたけしという3人の人物を取り上げます。今までまとめてきた「天才の特徴」を、彼らはどれだけ兼ね備えているでしょうか。
宮崎駿
宮崎駿は「ジブリ作品」で知られるように、世界中で評価を集める映画監督です。数多くの作品を残していますが、一貫して子供に向けた作品を作り続けていることが特徴です。幼少期の子どもたちにも大きな影響を与えています。
宮崎駿は、脚本なしで制作していくことで知られています。絵コンテと同時進行で作品を制作するという手法が可能なのは、超人的な制作管理能力をもっているからであり、宮崎駿の天才性を垣間見ることができます。自分の能力を信じなからも常に努力をいとわない姿は、まさに凡人離れをした偉業と言えます。
宮崎駿の作品としては『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『紅の豚』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』その他、多数の名作が世界中に知られており、アニメに興味のない人でも聞いたことのある人は多いはずです。
イチロー
プロ野球選手で有名なイチローは、努力と継続の天才として知られています。生まれついての才能もあるでしょうが、イチローが突出していたのは徹底的に継続し、自らの鍛錬を怠らない厳しい自己管理の側面です。その意味では天才肌の人間だとも言えます。
「小さなことを多く積み重ねることが、とんでもないところへ行くただひとつの道なんだなというふうに感じています」という言葉はまさに名言です。2016年、メジャーリーグベースボール通算で3000本安打、500盗塁、さらに日米通算でのプロ野球における通算最多安打数を確立しギネス世界記録となりました。
イチローは、すでに小学6年生の時には作文で「ぼくの夢は一流のプロ野球選手になることです」と書き、明確な目標宣言をしています。幼少期から継続的に、地道な努力を徹底的に続けたことが、イチローをさらなる天才にしたことは間違いありません。
ビートたけし
ビートたけしは日本のお笑いタレントとして有名ですが、「世界のキタノ」のニックネームで知られるように、映画監督や俳優としての活躍でも世界中に知られる存在です。数学にも深い関心があることで知られ、ピアノ、タップダンス、絵画など、その幅広い才能の広がりはとどまることを知りません。努力をいとわぬ集中力でも知られています。
1980年代の漫才ブームの中、ビートたけしとビートきよしの2人による漫才コンビ「ツービート」が大ヒットします。常に新しい世界にチャレンジしようとする情熱から、1990年代に入るとビートたけしは司会業にもチャレンジするようになり、1989年には映画監督としてもデビューしました。
1997年のヴェネツィア国際映画祭では、日本作品として40年ぶりとなる金獅子賞を受賞しています。異なる分野の出身者でも大きな賞を取れることを示したと、その天才性が話題になりました。
天才と呼ばれる人には常識にとらわれない特徴があった
「天才の特徴25選!天才の性格・能力に凡人との違いとは」と題して、天才に見られる行動の特徴、性格の特徴、見た目の顔の特徴、そして具体的な人物を取り上げながら考察してきました。
天才は幼少期からの天賦の才能をもつ人物で、まさに雲の上のような存在です。でも死にものぐるいの努力を続けていくと、天才肌と言われるような人物に近づくことができそうなことも見えてきました。気付いていないだけで身近にも意外な天才がいるかもしれません。
コメント